Google広告を運用しているのに問い合わせが来ない。こうした悩みを持つ中小企業の担当者は多いですが、その原因は「広告の成果がそもそもない」場合と「成果は出ているが計測できていない」場合の2つに分かれます。この記事では、問い合わせが来ない状態を切り分ける方法と、それぞれの原因に対応した改善手順を紹介します。
問い合わせが来ない状態は2つに分かれる
Google広告から問い合わせが来ない場合、次の2つの可能性があります。
1つ目は、広告からの流入があるのに実際に問い合わせに至っていない状態です。この場合、広告のクリック数やサイト訪問数はあるのに、お問い合わせフォームまで進まない、または進んでも送信まで至らないケースです。
2つ目は、実際には問い合わせが発生しているのに、Google広告側で計測できていない状態です。この場合、サイト内やメール、電話での問い合わせは来ているが、広告の管理画面に「コンバージョン」として記録されていません。
この2つは改善策が全く異なるため、まず現状を正確に把握することが重要です。
現状を正確に把握するための確認手順
問い合わせが来ない状態を切り分けるには、次の順序で確認してください。
ステップ1:実際に問い合わせが発生しているか確認
最初に確認すべきは、サイト側で実際に問い合わせが発生しているかどうかです。
確認方法:
- お問い合わせフォームの送信履歴を直接確認してください。問い合わせフォームのシステム内に届いているメール、または管理画面の送信一覧を確認します。
- メールボックスに問い合わせメールが届いているか確認します。スパムフォルダも確認してください。
- 電話やLINE、チャットなど、他の問い合わせ手段にも連絡がないか確認します。
この確認で「実際に問い合わせが来ていない」という結論が出た場合、広告の内容やターゲティング、LPの訴求を改善する必要があります。
一方「問い合わせは来ているが、Google広告の管理画面には反映されていない」という結論が出た場合は、計測の設定を確認する必要があります。
ステップ2:Google広告のクリック数を確認
問い合わせが来ていない場合、Google広告からのクリック数を確認してください。
確認方法:
- Google広告の管理画面で、対象キャンペーンのクリック数を確認します。
- 「キャンペーン」> 対象キャンペーン > 「概要」タブの「クリック」列で数値を確認してください。
クリック数が「0」または数件しかない場合、広告が十分に表示されていません。入札状況、予算設定、キーワード設定を確認してください。
クリック数が正常にある場合(目安:月に20クリック以上)、サイト側の問題が考えられます。
ステップ3:サイトへのアクセスをGA4で確認
Google広告からのクリックがある場合、GA4でサイトへのアクセスが正しく記録されているか確認してください。
確認方法:
- GA4の管理画面を開きます。
- 左メニューの「レポート」から「ユーザー」> 「トラフィック獲得」を選択します。
- 「最初のユーザーのソース/メディア」を確認し、「google / cpc」の行のセッション数を確認してください。
- Google広告の管理画面で確認したクリック数とGA4のセッション数を比較します。
GA4にデータが記録されていない場合、トラッキングコードが正しく設置されていない可能性があります。
計測がズレている場合の原因と確認方法
実際に問い合わせが来ているのに、Google広告に「コンバージョン」として記録されていない場合、計測の設定に問題がある可能性が高いです。
原因1:コンバージョン計測が設定されていない
Google広告で問い合わせをコンバージョンとして計測するには、事前に設定が必要です。
確認方法:
- Google広告の管理画面を開きます。
- 左メニューの「ツール」から「コンバージョン」を選択します。
- 問い合わせに対応するコンバージョンアクションが登録されているか確認してください。
問い合わせ専用のコンバージョンアクションが登録されていない場合は、新規作成してください。
原因2:計測タグ(タグマネージャーまたはグローバルサイトタグ)が設置されていない
Google広告でコンバージョンを計測するには、計測用のタグをサイトに設置する必要があります。
確認方法:
- サイトのHTMLソースコードを確認(ページを右クリック > 「ページのソースを表示」または「検証」を選択)してください。
- 「gtagGlobal」または「gtag.js」という文字列があるか検索してください。
タグが見つからない場合、計測タグが設置されていません。WordPressを使用している場合は、プラグイン経由で設置されている場合もあるため、サイト管理者に確認してください。
原因3:Google TagManager内でコンバージョンタグが正しく設定されていない
Google TagManager(GTM)経由で計測している場合、トリガーやタグの設定が誤っている可能性があります。
確認方法:
- GTMの管理画面を開きます。
- 「タグ」セクションで、問い合わせフォーム送信に対応するタグが登録されているか確認してください。
- タグのトリガーが「フォーム送信」または「クリック」に正しく設定されているか確認してください。
トリガー条件が間違っていると、実際のフォーム送信をGTMが検出できません。
原因4:コンバージョンページが正しく設定されていない
お問い合わせフォームシステムによって、問い合わせ完了ページまでの流れが異なります。
確認方法:
- 実際にテストで問い合わせを送信してください。
- 送信後の遷移先ページURLを確認してください。
- Google広告のコンバージョン設定で指定されているページURLと一致しているか確認してください。
完了ページのURLが「/thanks/」となっているのに、コンバージョン設定で「/contact/」と設定されている場合など、ページURLの不一致が計測ズレを引き起こします。
実際に問い合わせに至らない場合の改善手順
確認の結果、実際に問い合わせが来ていない場合は、広告またはサイト側の改善が必要です。
ステップ1:広告とLPの訴求がズレていないか確認
クリックはあるのに問い合わせに至らないケースで最も多いのが、広告文とランディングページ(LP)の訴求がズレているケースです。
確認ポイント:
- 広告に「〇〇の問題を解決」と書かれているのに、LPのタイトルが異なる
- 広告で「初回無料相談」と謳っているのに、LPには「相談は有料」と書かれている
- 広告で「即日対応」と書かれているのに、LPには「対応は平日のみ」と書かれている
このズレがあると、ユーザーは「思っていた内容と違う」と判断し、ページを離脱してしまいます。
ステップ2:お問い合わせフォームが使いやすいか確認
フォームの入力項目が多すぎたり、わかりにくい表現があると、完了前に離脱されます。
確認ポイント:
- 入力項目数が多すぎないか(目安:3~5項目)
- 必須項目の表示が明確か
- バリデーションエラーメッセージが分かりやすいか
- 送信ボタンが見つけやすい位置にあるか
- 送信ボタンのテキストが「送信」ではなく「無料相談を申し込む」など、アクションが明確か
スマートフォンでのフォーム表示も確認してください。レスポンシブ対応がされていない場合、モバイルユーザーの離脱率が大幅に高まります。
ステップ3:流入キーワードが適切か確認
広告の検索キーワード設定が不適切な場合、購買意図のないユーザーをクリックさせている可能性があります。
確認方法:
- Google広告の管理画面で「キャンペーン」> 「キーワード」を選択します。
- 「検索キーワード」レポートを確認してください。
- 実際のユーザー検索語句の中に、「情報収集」「比較」「使い方」など購買意図が低い語句がないか確認してください。
該当する語句を「除外キーワード」に追加すれば、無駄なクリックを減らせます。
計測ズレを修正する際の注意点
コンバージョン計測の設定を修正した場合、設定変更後のデータ集約に時間がかかります。
注意点:
- 設定変更から1~2日は、データがGoogle広告管理画面に反映されません。
- トラッキングコードを新しく設置した場合も同様です。
- 設定を変更したからすぐに計測が開始されるわけではなく、複数の問い合わせが送信されることで初めてコンバージョンとして記録されます。
設定変更後は、最低1週間は様子を見る必要があります。
よくある質問
Google広告のクリック数が0の場合は何から確認すべきか
クリック数が0の場合は、広告自体が表示されていない可能性が高いです。まず、入札単価が適切か、日予算が消費されているか、キャンペーンが有効になっているか確認してください。次に、キーワードの検索ボリュームが十分か、競合が多くないか確認します。キーワード選定が最大の要因になることが多いため、検索キーワードプランナーでボリュームを再度確認することをおすすめします。
GA4にはアクセスが記録されているのにGoogle広告に反映されていない場合はどうすればよいか
計測のズレが生じている可能性があります。この場合、自動タグ(gclid)の設定が有効になっているか、GA4とGoogle広告が正しくリンク済みになっているか確認してください。リンク設定を解除して再度リンクすることで、大半のケースは解決します。
お問い合わせフォームがメールフォームシステムの場合、コンバージョン計測はどうするのか
フォーム送信後にサンクスページに遷移する場合は、そのサンクスページのURLをコンバージョンページとして設定します。サンクスページがない場合は、GTMを使用して「フォーム送信」イベントをコンバージョンとして記録する方法もあります。フォームシステムの仕様を管理者に確認し、計測方法を決めてください。
計測を修正しても問い合わせが増えない場合は
計測が正確になったことで、実は「問い合わせが来ていない」という真実が明らかになったケースもあります。この場合は、広告の訴求やターゲティング、LPの改善を優先してください。計測が正確でなければ、改善効果も測定できないため、計測の修正は必須ですが、計測だけで成果が増えるわけではありません。
複数のコンバージョンアクションを設定している場合、どれを主要な指標にすべきか
問い合わせ、電話、ダウンロードなど複数のアクション種類がある場合、売上に最も貢献するものを「主要なコンバージョン」に指定してください。Google広告の最適化はこの主要なコンバージョンに基づいて行われるため、指定が間違うと改善方向がズレます。
参考情報
参考:Google Analytics 4 ヘルプ – コンバージョンの設定と確認
まとめ
Google広告から問い合わせが来ない場合は、まず「実際に問い合わせが来ているのか、それとも来ていないのか」を正確に把握することが重要です。実際には来ているのに計測できていないケースと、広告またはサイト側の問題でそもそも問い合わせに至らないケースでは改善策が全く異なります。
実際の問い合わせの有無を確認したら、次に広告のクリック数、GA4でのアクセス記録、計測タグの設置状況を順序立てて確認してください。これらの確認を通じて、改善すべきポイントが明確になります。
計測が正確になったら、広告とLPの訴求ズレの解消、お問い合わせフォームの改善、検索キーワードの最適化を進めてください。これらの改善により、Google広告から問い合わせへの確実な流れが構築できます。
広告運用の改善について、現状の確認から改善方法まで支援してほしい場合は、お気軽にご相談ください。
